少子化が進む中で、私立大学がガバナンスの強化に取り組んでおり、代表例として芝浦工業大学と上智大学のほか神戸学院が紹介されている。

特徴として、芝浦工大と上智大学の学長のリーダーシップの強化が挙げられている。

学校は大雑把に言えば、学生の教育に直接携わる教員と、総務・財務と言った事務に携わる職員が両輪となって運営されており、学長は教員のトップと言える。学長に影響を与えるものとして教授会や理事会が挙げられるが、それらの会議体が学長を補佐する役に回り、学長が学校経営の主導的な役割を果たすように組織改革に取り組んだ、ということのようだ。

このほか、実質的に機能していなかった監事の人数を増やし、学校OB以外に外部からも起用して機能させたことが書かれており、神戸学院は外部出身の理事を増やし、学校OBの理事を減らしたと書かれている。

私立大学は株主に相当する所有者がおらず情報開示も限定されている。そのため外部の目が無いと経営の健全性が保てないのであれば、少子化に関わらず従来から改善の必要はあったのかもしれない。他方で、経営の健全化のために社外取締役や社外監査役を導入してきた上場企業でも果たしてそれが十分に機能しているか実態はよくわからず、学校法人でも同じことが言える。

また、米国型の組織形態が日本において有利かどうかも、企業と同様に明らかではない。学長の権限を強化すれば確かに迅速な意思決定が可能となるが、スピードを優先することにより反対意見が出にくくなり意思決定を誤るリスクは増加する。

その意味で今回紹介された組織改善については今後の進展が興味深くはあるが、お役所的で硬直的になりがちな組織を改編させた危機感の方が強く印象に残った記事であった。

注:上記の内容は個人的な感想であり、所属する組織の見解や法令等に基づくものではありません